絵本はドラマチック‼

絵本との出会い 人との出会い

かこさとしゆかりの地へ🚃

 

 

 

 

かこさとし著「未来のだるまちゃんへ」という文庫本が手元にあります。

あとがきの日付は2016年9月。その後2年を待たずにかこ先生は亡くなりました。

かこ先生は1933年、小学校2年のとき一家で板橋へ引っ越してきたそうです。

その後大学生の時終戦間際の空襲でこのあたりが焼け野原になるまでの成長期をすごしたゆかりの地なんだそうです。

この写真の場所は小学校4年のときの思い出の場所かと思われます。

大変裕福な家庭の光君という友達が住んでいた場所らしいです。

【当時は東京もまだのどかで、板橋にも「愛光舎」という牛乳会社の牧場がありました。・・・そこの敷地内には牧場だけでなく、テニスコートもある立派な西洋館があって、家族とそこに住んでいました。】

 

たまたま埼京線の十条という駅に用事ができたので、残暑のなかグーグルマップを頼りにこの場所を探し当て写真を撮ってきたというわけです。

本当に暑さが厳しい日で、スマホを片手に限られた時間のため焦りながら歩いていると、スマホもとっても熱くなってきてさらに焦りました。

位置情報を炎天下で使うとスマホが熱くなるんでしょうか?

あと7分ほどの距離まで近づいたところで画面が真っ暗に・・。

万事休すか・・・帽子もないので頭頂も熱くなってきてまずいぞ、と思ったところで画面が復活して無事に目的地に到着したのです。

記念になにか飲み物を飲もうかと考えていましたが、自動販売機しかなかったです。

戦前はこのあたりにもきっと自然豊かな風景があったんでしょう。

牧場があったなんて驚きですね。

グーグルマップを見たときもう一か所寄ってみようと目星をつけた縁切り榎という名所へはそこからほどなくスムーズに到着。下調べで得た知識により隣のお蕎麦屋さんで絵馬を購入して願掛けしてきました。

かこさとしの少年時代はまさに古き良き時代だったことがうかがえます。

しかしその後は世界大戦へと突入して大変苦労を経験し、生き抜いたそうです。

私が大好きで熱心に読んだ「だるまちゃんとかみなりちゃん」という絵本の背景に無数の思いやドラマがある・・・。

かこ先生はこの地で出会ったあんちゃんから絵の手ほどきを受けたそうで、それがのちの絵本作家への伏線になったことは間違いないようです。

あんちゃんは高等小学校を卒業すると社会へでて働くことになり、それっきりその後のことはわからないそうです。

 

堀内誠一展へ行ってきました!

神奈川県立近代文学館で開催中の堀内誠一展へいってきました。
恥ずかしながら最近になって知った人物です。絵本作家というよりグラフィックデザイン全般を手がけた‘’時の人‘’です。
図書館で「古い絵本の物語」寺村摩耶子著を読み知った人です。それでも家に15年以上前からあの名作がありました。「くろうまブランキー」です。
この絵本は私の母が孫のために毎月絵本が1冊届くサービスを申し込んでくれていた時送られてきたなかの1冊です。
堀内誠一展では最初に登場する絵本が「くろうまブランキー」でした。
初めて絵本の絵を手がけた記念すべき作品なんだそうです。ストーリーは伊東三郎再話とあり、クリスマスツリーと馬の表紙からはわからないなんだか悲しいお話です。クリスマスがテーマなものはファンタジックなものやワクワクするものが多いなかで異色な作品かと思います。
ストーリーと絵を両方手がけた初作品は「おおきくなるの」で、こちらはメルカリで購入。
まさにグラフィックアートな世界です。どのページも壁に飾ったらそこがおしゃれな空間に変身しそうなグラフィックです。
🧡🧡🧡

絵本だけでなく雑誌の表紙やロゴのデザインなどにひろく携わり、交友関係も広くヨーロッパでのスケッチ作品なども展示されていました。その中の風景画の1つは、私がかねてより愛する画家ラウル・デュフィーの作風に似ていました。
沢山の功績を残し54歳の生涯を閉じたそうです。

アラフィフの私はまだまだ人生道半ばというところです。
地球温暖化ゲリラ豪雨、戦争、コロナ禍・・混迷の日々は続きます。

我が心の絵本ベスト3

幼少期の記憶の中に鮮明な印象として刻まれた絵本について発表します。

「だるまちゃんとかみなりちゃん」

「はじめてのおつかい」

「だいふくもち」

この3冊は絵を思い出し、ひとり読み込んだ当時の情景も浮かんできます。

けれども長い間、作者はどんな人かなんてまるで興味がなかったのです。

子どもにとっては作者が(かこさとし)と書いてあっても、なんだかユニークななまえだなぁ・・という感想しかありません。

やがていつのまにか絵本自体は手元からなくなり(後日談ですが、取っておいてほしかったのに母がごっそり人にあげてしまったそう)

成長して青年期になるとからっきし忘れてしまいました。

運命の出会いは5年ほど前にショッピングモールの本屋さんをウロウロしていた時です。なんと平積みされたおすすめコーナーのような一角にあの真っ赤なだるまちゃんがいたのです。

それは文庫本となったかこさとし著「未来のだるまちゃんへ」の表紙でした。

すっかり忘れていたけど、幼少期によく遊んだ友達と再会したような気持ちでした。

即購入660円+税

今思えば備忘録の日付が2018年4月なので、数週間後の5月2日にかこ先生は偉大な生涯を92歳で閉じている。

40年ぐらいの時を超えて我が心の栄養となった絵本の作者について知ることとなり、たくさんの衝撃をうけるとともに、以降絵本作家調べや絵本を大人収集といいますか、価値をあらためて見直すライフワークを始めるきっかけとなりました。

「だるまちゃんとかみなりちゃん」の作者が

・東大で学んだ科学者でもあった

・40年以上藤沢に住んでいた

・かつて川崎にセツルメントがありここでの体当たりの体験が絵本作家への道につ       ながったこと

・18歳選挙権について考察している

 

その他とにかくものすごい戦争前後の混乱期を生き抜き、精力的に学び働き考察した人のエキスがあの親しみやすいだるまちゃんやかみなりちゃんとなって私のところへもやってきたんだという感動を覚えました。

 

🎈🎈🎈

「はじめてのおつかい」はどのページの絵も記憶の襞に刻まれていて、ぼんやりと作者は林明子さんだと思っていました。

ところがよーく見ると絵は林明子さんですが作は筒井頼子さんだったんですね。

こちらはメルカリで再開し購入しました。

 

「だいふくもち」にいたっては作品名も作者も忘れてしまっていましたが、不思議に印象的な作品で、登場するしゃべるだいふくがとっても美味しそうだったことが蘇ります。

こちらもまた偶然の再開!

2019年夏に開催された横須賀美術館の「せなけいこ展」へ行った際、そこの図書室でこの絵本を見つけ、作品名と作者を知ることができました。

今年の夏前に実家へ行くと「文藝春秋」がリビングにポンと置いてあり、なにげなくぱらぱら見ると、『た』という絵本を創った 田島征三 という記事が掲載されていて驚きました。田島征三さんの絵本は、芸術ぶった子ども忘れの絵本、などと批判されることも多いそう。濁色で描かれたものが多いし、私の好む発色がきれいなものではないけど、「だいふくもち」は不思議と静かに心に残っている作品です。

 

エアコンなしの夏

梅雨明けの頃エアコンがこわれた!

梅雨明けといっても今年は例年よりかなり早かったですね。

令和4年も半分を過ぎ、いろいろ出費が嵩んだため今年はエアコンなしで乗り切ろうということになりました。💦

地球温暖化が進み猛暑の夏が定着しつつあり、無謀な決心です。

家族は全員50代。

ちょっと心配しましたが、来週はもう9月なのでどうやら乗り切れる模様。

しかし

本当に久しぶりに夏バテな感じを思い出しました。

思えばあの頃・・・

小学生くらいまで家にエアコンはありませんでした。

まだまだ一般家庭に普及する前で、夏は扇風機とうちわで乗り切っていた時代でした。

私は毎年夏バテになり、残暑の頃は食欲が落ちて体重が2,3キロ落ちたものでした。

東京のベッドタウンはもう熱帯夜があった気がします。

夜は寝苦しく、首筋に汗がタラーと流れつつ、片手に持ったうちわで自分で自分をあおぎながら寝ていました。

子どもの頃は朝ごはんもなかなか喉をとおらず朝が弱かったし、早起きが苦手でした。

 

時がたち中年期の今は、いつのまにやらそのようなことが全くなくなり、夏も体重は減らないし朝からもりもり食べています。

夏になるとやたらに言われる熱中症のことも、昭和の頃は日射病と呼んでいたなぁ。

 

それにしても世界各地で豪雨による洪水被害が頻発し、地球温暖化は確実に進んでいるようですね。

何が正解かわからない混迷の今は日々続いていきます。

 

タイムスリップ

タイムスリップといえば、時空を飛び越えることですよね。

 

絵本の世界はまさにそのような体験ができるものだと思います。

 

1冊の絵本が出版物となって世に出た年もそうですが、特に絵の世界は画家の心象が深く投影されたもので、作者が生まれてから見て感じて吸収してきた世界が表現されています。

 

1冊の絵本を没入して読むと、読んだ人は時空を超えます。

 

そのために必要なことはおそらく静かな環境と、読み手の静かな心です。

しかし少し前の私がそうだったように、ぱらぱらと文章を読んで終わると3分ほどで読了です。

 

最近出会った「バナナです」川端誠・作 など文章は最後のページ以外(バナナです)のみ。ただ単に読めばバナナです。バナナです。バナナです。・・・

ページをめくるたび登場する動物は変わりますが。

 

「マドレーヌといぬ」を購入するときも、実際に購入する半年ほど前から某大型リサイクルショップでぱらぱらと中身を確認していました。

そのときは偉大な魅力には気づかず、全体的に黄色い本だなぁ、と思いました。

帰宅後一読(できる限り没入)して、作者について調べたりしているうちに最終ページから3枚目の右下に小さな字で絵本に描かれている風景のキャプションが記されていることに気づきました。

物語の初めのほうで女の子が橋から川へ落ちるのですが、その川はセーヌ川で橋はポン・ヌフとわかりました。少しググってみると1950年代のパリの街が描かれているらしい。作者のルドウィッヒ・ベーメルマンスはチロル地方出身(現イタリア)で16歳で渡米したそうなので、生涯のどこかでパリにいたことがあるのかな。

この作者については生涯が1冊の本にまとめられているそうなので、それを読めばパリを題材にしたいきさつがわかるかもしれません。

ここまでわかるともうこの1冊の絵本からたくさんの物語が聞こえてきます。

1950年代のパリへタイムスリップ・・・

そして今から28年前にパリへ旅行したことを思い出します。

なんていうとかっこいい感じですが、今となっては最初で最後の海外旅行。

これから海外旅行をする予定は全くありません。

たしか8泊10日のイタリア・ギリシャ・フランスをめぐるパックツアーで、旅費は30万円ほどをローンを組んで、旅を楽しんだ後はアルバイト代から月々返済したものでした。実際に足を運んだパリ!さらに「マドレーヌといぬ」にはパックツアーでも訪れたサクレクール寺院も描かれています。今でもこの目で見たモンマルトルの丘周辺の光景ははっきりと目に浮かびます。

さらにポンヌフといえば、同じ頃映画館へ足を運んだ「ポンヌフの恋人」を思い出します。細かい内容は忘れましたが、予想に反して暗くて重い内容だった気がします。

いっぽう絵本のマドレーヌは明るくて楽しいストーリー。原作は1939年にニューヨークで発表されているようなので、テレビアニメなどは存在しない時代です。

絵本だけどなんだか楽しいテレビアニメを見たような気になる素敵な作品です。

 

まだまだ私が出会っていない名作が星の数ほどあるんだろうなぁ・・

千里の道も一歩より🦶🦶🦶ですね。

 

 

やまなしもぎ

前回の続きで、「やまなしもぎ」を手にとってからのいろいろな思いを綴らせてください。この絵本は 平野 直・再話、太田大八・画 とあり絵の色調はトーンをおさえた落ち着いたものです。

私の絵の好みは明るい色合いで輪郭線はのびやかなものなので、絵が太田大八さんでなければスルーしていました。(輪郭線はのびやかです。)

でも帰宅後一読して、あーなんか懐かしいなあ・・・

としみじみとした気持ちになりました。

 

私はいわゆるテレビっ子で、小学1年生から鍵っ子でした。

昭和40年代に建設された団地に住んでいたので、玄関のドアが鉄?で磁石がくっつき真ん中あたりに新聞を差し込む部分がありました。

わかる人にはわかりますよね。(^^ゞ

なんとそこにゴムでつながった家の鍵が隠してありました。

のどかな時代だったのか。

いつでもだれでも家に入れちゃう❕❕

鍵っ子・・なんて死語ですか?とにかくテレビばっかり見ていました。団地の鍵っ子なんて孤独なことが多く夕方のアニメをいろいろ見ていました。ゆえに昔話というと

‟ぼうやーよいこでねんねしな~”

のフレーズが聞こえてきます。毎週土曜日夜7時から(たしか)放送していた「まんが日本昔話」のオープニングソングです。

 

話が少し脱線しました(^^ゞ

あの頃から40年以上時が流れ、楽しい昔話と再び出会う💖なんてドラマチック!

さて本題にはいりましょう。

「やまなしもぎ」の絵は太田大八さんですが、作は平野 直再話となっています。

最終ページの著者紹介を読むと、岩手県の著者の友人のそのまた友人の話なんだそうです。

昔話が人に根付いている。身近にあった様子が素晴らしいですね。

ここから連想したのは中勘助の小説「銀の匙」です。

舞台は明治時代ですが、ここに登場する伯母さんは四角い字(漢字)が読めないけど、話の種を無尽蔵にもっていた・・・・

憧れます💗

ちょっと昔の時代は民話は人から人へ口伝されていたのでしょう。

3つの場面展開

これも昔話のあるあるだな~とまた懐かしくなりました。

そしてお話の終わりの言葉も興味深い。

 

どんどはらい

他には山形の昔話「さるとびっき」の場合は

むかし とーびん、びったり さんすけ

北欧民話の「三びきのやぎのがらがらどん」の場合は

チョキン、パチン、ストン。はなしは おしまい。

 

いろいろ発見していくと面白そうです。

最後に注目すべきは物語に何度も出てくるふくべ

ふくべという呼び方は知りませんでしたが、絵本の絵を見るとどうみてもひょうたんです。そこですぐにググると、やはりひょうたんのことで、栃木県にはユニークな形を活かした民芸品があることがわかりました。明治時代から昭和の初めにかけては、炭入れや小物入れなど実用的にも使われていたとか。

ぬくもりのある生活用具ですね。栃木県へ旅をしてみたくなりました。

🚃🚃🚃🚃🚃

 

 

 

 

 

 

 

偶然選んだ3冊の絵本

はじめまして。

お金はないけど時間はけっこうあるアラフィフです。

1人娘は巣立ち、現在は短時間パート勤務です。

コロナ禍でブログを書き始め、はじめはスマホで必死に文字を打ち込んでいましたが、今年の5月に人生初のノートパソコンデビューを果たし、今は脳みそに鞭打って文字入力をしています。

 

さて、50歳くらいになると突然視点が変わるような体験が起こります。

若い人には想像はつかない、もっと年輩の人はうなずいていただいてますか。

 

このようなことから最近になって、絵本の世界にはまったのです。

でもお金はないので、Amazonや大型リサイクルショップ、小さな古本屋さんなどを巡って絵本を収集することにしました。

自分の心の琴線に触れるか否か。

それだけが購入の決め手です。

 

💖偶然選んだ3冊の絵本

猛暑のなか、前々から気になっていた絵本を探しに近所の某大型リサイクルショップへとうとう行ってきました。

とうとうとは、朝は早い日常なので10時開店のお店になかなか行けなかったのです。

開店まもないお店はがらがら。ゆっくり絵本を物色していると、一人のおじさんが真後ろの文庫本コーナーを物色し始めました。ソーシャルディスタンスが気になり、絵本コーナーを離れて棚を一巡り。雑誌コーナーでお茶を濁し待機。

やがてばらけたので再び絵本を物色。意を決して選んだのは

 

「マドレーヌといぬ」

「だいちゃんとうみ」

「やまなしもぎ」

 

「マドレーヌといぬ」はこのリサイクルショップには以前から4,5冊並んでいたことは知っていました。そしてこの絵本に関して‟寺村摩耶子さん”の著作で紹介されていたことも影響していました。

「だいちゃんとうみ」は、それはもうこのステキな絵に心を奪われました。

「やまなしもぎ」はぱっと目に付いたところ絵が「だいちゃんとうみ」と同じ太田大八さんだったので購入しました。

大きい声では言えませんがお代は合計税込み1110円。

こんなにも素晴らしい知恵と愛が詰まった作品を安く購入。

 

作者については何も知らずに手元にやってきた絵本。

さっそく帰宅後一読。

楽しい。価値ある時間です。

 

最近は作者の略歴にも目を通すことにしていて、さっそくリサーチ!

 

すると不思議な偶然が・・・

「マドレーヌといぬ」の作者ルドウィッヒ・ベーメルマンスと「だいちゃんとうみ」の作者太田大八には共通点があったのです。

 

両者とも早くから画才があったそうですが、まっすぐ絵本作家になったのではなく、違う仕事をしていたのが、偶然本関係の仕事をしている友人がきっかけで絵本作家への道が開けたという共通点があったのです。

なんてドラマチック💖

 

ルドウィッヒ・ベーメルマンスは人生が半端なくドラマチックみたいです。

27歳の時にニューヨークイーストサイドのレストランのオーナーとなり、その壁に絵を描いていたものが友人の編集者の目にとまったんだそう。

詳細は割愛します!

そんな共通点がある二人ですが・・・ルドウィッヒ・ベーメルマンスは膵臓がんのため64歳で波乱の人生を閉じましたが、太田大八は97歳という長寿をまっとうされたそうです。そういえば、今まで調べてきた絵本作家の方たちは長寿の方が多いという印象があります。余談ですが・・・

 

それでは今回はこのへんで一休み😪

 

次回は「やまなしもぎ」について書こうと思います。