我が心の絵本ベスト3
幼少期の記憶の中に鮮明な印象として刻まれた絵本について発表します。
「だるまちゃんとかみなりちゃん」
「はじめてのおつかい」
「だいふくもち」
この3冊は絵を思い出し、ひとり読み込んだ当時の情景も浮かんできます。
けれども長い間、作者はどんな人かなんてまるで興味がなかったのです。
子どもにとっては作者が(かこさとし)と書いてあっても、なんだかユニークななまえだなぁ・・という感想しかありません。
やがていつのまにか絵本自体は手元からなくなり(後日談ですが、取っておいてほしかったのに母がごっそり人にあげてしまったそう)
成長して青年期になるとからっきし忘れてしまいました。
運命の出会いは5年ほど前にショッピングモールの本屋さんをウロウロしていた時です。なんと平積みされたおすすめコーナーのような一角にあの真っ赤なだるまちゃんがいたのです。
それは文庫本となったかこさとし著「未来のだるまちゃんへ」の表紙でした。
すっかり忘れていたけど、幼少期によく遊んだ友達と再会したような気持ちでした。
即購入660円+税
今思えば備忘録の日付が2018年4月なので、数週間後の5月2日にかこ先生は偉大な生涯を92歳で閉じている。
40年ぐらいの時を超えて我が心の栄養となった絵本の作者について知ることとなり、たくさんの衝撃をうけるとともに、以降絵本作家調べや絵本を大人収集といいますか、価値をあらためて見直すライフワークを始めるきっかけとなりました。
「だるまちゃんとかみなりちゃん」の作者が
・東大で学んだ科学者でもあった
・40年以上藤沢に住んでいた
・かつて川崎にセツルメントがありここでの体当たりの体験が絵本作家への道につ ながったこと
・18歳選挙権について考察している
その他とにかくものすごい戦争前後の混乱期を生き抜き、精力的に学び働き考察した人のエキスがあの親しみやすいだるまちゃんやかみなりちゃんとなって私のところへもやってきたんだという感動を覚えました。
🎈🎈🎈
「はじめてのおつかい」はどのページの絵も記憶の襞に刻まれていて、ぼんやりと作者は林明子さんだと思っていました。
ところがよーく見ると絵は林明子さんですが作は筒井頼子さんだったんですね。
こちらはメルカリで再開し購入しました。
「だいふくもち」にいたっては作品名も作者も忘れてしまっていましたが、不思議に印象的な作品で、登場するしゃべるだいふくがとっても美味しそうだったことが蘇ります。
こちらもまた偶然の再開!
2019年夏に開催された横須賀美術館の「せなけいこ展」へ行った際、そこの図書室でこの絵本を見つけ、作品名と作者を知ることができました。
今年の夏前に実家へ行くと「文藝春秋」がリビングにポンと置いてあり、なにげなくぱらぱら見ると、『た』という絵本を創った 田島征三 という記事が掲載されていて驚きました。田島征三さんの絵本は、芸術ぶった子ども忘れの絵本、などと批判されることも多いそう。濁色で描かれたものが多いし、私の好む発色がきれいなものではないけど、「だいふくもち」は不思議と静かに心に残っている作品です。