絵本はドラマチック‼

絵本との出会い 人との出会い

タイムスリップ

タイムスリップといえば、時空を飛び越えることですよね。

 

絵本の世界はまさにそのような体験ができるものだと思います。

 

1冊の絵本が出版物となって世に出た年もそうですが、特に絵の世界は画家の心象が深く投影されたもので、作者が生まれてから見て感じて吸収してきた世界が表現されています。

 

1冊の絵本を没入して読むと、読んだ人は時空を超えます。

 

そのために必要なことはおそらく静かな環境と、読み手の静かな心です。

しかし少し前の私がそうだったように、ぱらぱらと文章を読んで終わると3分ほどで読了です。

 

最近出会った「バナナです」川端誠・作 など文章は最後のページ以外(バナナです)のみ。ただ単に読めばバナナです。バナナです。バナナです。・・・

ページをめくるたび登場する動物は変わりますが。

 

「マドレーヌといぬ」を購入するときも、実際に購入する半年ほど前から某大型リサイクルショップでぱらぱらと中身を確認していました。

そのときは偉大な魅力には気づかず、全体的に黄色い本だなぁ、と思いました。

帰宅後一読(できる限り没入)して、作者について調べたりしているうちに最終ページから3枚目の右下に小さな字で絵本に描かれている風景のキャプションが記されていることに気づきました。

物語の初めのほうで女の子が橋から川へ落ちるのですが、その川はセーヌ川で橋はポン・ヌフとわかりました。少しググってみると1950年代のパリの街が描かれているらしい。作者のルドウィッヒ・ベーメルマンスはチロル地方出身(現イタリア)で16歳で渡米したそうなので、生涯のどこかでパリにいたことがあるのかな。

この作者については生涯が1冊の本にまとめられているそうなので、それを読めばパリを題材にしたいきさつがわかるかもしれません。

ここまでわかるともうこの1冊の絵本からたくさんの物語が聞こえてきます。

1950年代のパリへタイムスリップ・・・

そして今から28年前にパリへ旅行したことを思い出します。

なんていうとかっこいい感じですが、今となっては最初で最後の海外旅行。

これから海外旅行をする予定は全くありません。

たしか8泊10日のイタリア・ギリシャ・フランスをめぐるパックツアーで、旅費は30万円ほどをローンを組んで、旅を楽しんだ後はアルバイト代から月々返済したものでした。実際に足を運んだパリ!さらに「マドレーヌといぬ」にはパックツアーでも訪れたサクレクール寺院も描かれています。今でもこの目で見たモンマルトルの丘周辺の光景ははっきりと目に浮かびます。

さらにポンヌフといえば、同じ頃映画館へ足を運んだ「ポンヌフの恋人」を思い出します。細かい内容は忘れましたが、予想に反して暗くて重い内容だった気がします。

いっぽう絵本のマドレーヌは明るくて楽しいストーリー。原作は1939年にニューヨークで発表されているようなので、テレビアニメなどは存在しない時代です。

絵本だけどなんだか楽しいテレビアニメを見たような気になる素敵な作品です。

 

まだまだ私が出会っていない名作が星の数ほどあるんだろうなぁ・・

千里の道も一歩より🦶🦶🦶ですね。